katanga2005-10-15

誰が言ってたかは思い出せないんですが、昔誰かが言ってたんです。「深津絵里はカタカナで書くとロシア人みたいだ。フカツェリ」って。
 
さて、今年の夏も暑かったですが、そろそろ過ごし易さも安定してきましたね。涼しくて素敵です。まあしかし俺は秋冬好きなんでもっと寒くなれ寒くなれ!
最近また自炊を頻繁にしているのですが、茄子がンマイです。焼いて良し煮て良し。最高ですね!栄養ないけど。

katanga2005-10-11

知らない間に長新太がお亡くなりになってイタノヨ。しかも四ヶ月ほど前じゃない。ドーシマショドーシマショ。
長新太と言えば絵本作家だとか漫画家だとか、そういった方ですね。インドでも以前一回書いた事があります*1
えー、アテクシは絵本のほうは余り知らなくて、専ら漫画のほうを楽しんでいたのですが、非常に珍妙な掴み所のない作風で、絵も内容も掴み所のないふんにゃかふんにゃかした不思議ナンセンスの世界の巨匠でありました。
一言で言うと"シュール"*2とでも言いましょうか。まぁこの"シュール"っていう言葉は余り好きじゃないんですが、アレですね、シュールな漫画家と言うと一般に筆頭で思い出されるのが吉田戦車かと思います。でも吉田戦車って"シュール"=シュルレアリスムの意味で捉えると実は別にシュールじゃないんですね。巖谷國士の言に拠ると「シュルレアル=超現実」と現実の間は連続している、または現実が超現実を内包したもので、消して現実と超現実の間に区切りがあるわけではない、即ち我々の存在している「現実空間」があって、どこか離れた別の空間に「超現実」の空間が存在しているのではないと言う事です*3。例えるなら白昼夢みたいなもんでしょうか。
で、なぜ吉田戦車はシュールでないかというと、吉田戦車の場合、漫画の始まりの設定は多少突飛であっても、そこから惹起される事象は概ね自分たちの納得できる範囲に収まる事が多いわけです。例えば『伝染るんです』に出てくるカブトムシの斉藤というキャラが居て、カブトムシなのに浪人したり海賊に就職したり養子を取ったり一見超現実っぽいことをするわけですが、結局は普通の漫画に出てくる、我々一般の常識が通用しない「異邦人=ボケの担い手、ボケキャラ」と同じ存在と言えるのではないでしょうか。まぁ言ってみればニカウさんとかクルーゾー警部とかエディ・マーフィーの『星の王子様ニューヨークへ行く』と同じだと捉えることができます。これはかわうそ君でもミッチーでも『火星田マチ子』でも『ちくちくウニウニ』でも同じ事が言えます。ただ数は少ないですがシュールと言えるものもあります。『伝染るんです』に、[道路のようなところにコンクリのようなものでできた電話ボックス状のものがあってそこから腕が突き出して何か持っている。向こう側から半裸の男が歩いてきて、その何か持っている物を見て「おや、あれはなんだろう」と思う。そしてすれ違いざまにその物体をムシャムシャと食べて「やはり肉か」と思う]という作品がありますが、これなんかは従来のボケキャラの類型に当てはまらないものではないかと思います。しかしまぁこの様な作品は少ないし、正直に言って個人的にそんなに面白いものではないです。
ひょっとすると「カブトムシが浪人したり大家に家賃払ったりしてたら充分シュールじゃねぇか!」とか仰る向きもあるかもしれませんが、それなら『のらくろ二等兵』をシュールだと思ったことがあるでしょうか。『のらくろ二等兵』は犬が立って喋ってサルと戦争して、挙句の果てには大尉にまで昇進したりします。コレに比べたら斉藤は喋らないし飛ぶし樹液はなめるしでなんとカブトムシらしいことでしょう。ただ、犬より感情移入のされにくい(擬人化されにくい)カブトムシが題材になっているというだけの話なんですね。そういうわけで自分にとって吉田戦車は別にシュールな作家というわけじゃないです。ましてやアンガールズなんかどこがシュールなんだ。ただ情けないだけじゃねぇか。なんて日常生活で口にするといちいち細かいうるせーやつだとか思われかねないので言いませんがね。
それに対すると長新太は、湖の真ん中にポツンと居るオッサンが、背景の山が乳になったりケツになったりするのを見て「イーッヒッヒッヒ」って喜ぶだけの漫画なんですね。よくわかんねぇでしょう。でも妙な雰囲気があって面白いんです。
何はともあれ長新太氏のご冥福をお祈りいたします。
 
ちなみに吉田戦車が嫌いなわけじゃないです。むしろ好きです。特に『伝染るんです』のヤクザ描くダムダム人は死ぬほど笑いました。今まで見た四コマの中で一番笑ったんじゃないでしょうか。そんな感じ。

*1:http://d.hatena.ne.jp/katanga/20040327#p1

*2:キーワードでも指摘されているように、今じゃシュールっていう言葉が「少し変な」くらいの意味で使われているってことは重々承知しております。しかしそれだと以下の文が成り立たなくなるので、ここではシュール=シュルレアリスムだと思って読んでください。まぁ「少し変な」程度の意味しか持ち合わせないから"シュール"という言葉が好きじゃないわけではあるのですが

*3:今手元に資料がないからうろ覚えですが概ね合ってるはず

うっかりすると一ヶ月くらい開いてしまいますね。こんばんは。篠田統『すしの本』*1を読んでいたら脳がすしモードになってしまいました。
先週から少しのっぴきならねぇ用事で実家に帰っているわけですが、明後日くらいには京都に復帰する予定です。
で、まぁ土曜日の話なんですけどね、毎月一日は映画館の料金が1000円になるというので『チャーリーとチョコレート工場』を見に行こうとしたわけですよ。そしたら上映1時間前についたのに、もう売り切れてて、もう一つ後の上映は4時間後。こういう"映画の日"的な料金お安くなりますイベントは使用したことがなかったので、余りの人数の多さに閉口しました。たかが800円安くなるくらいで普段来ない映画館に来てんじゃねぇよこの低所得層どもめ。などと自分のことを棚に上げつつ連れとゲーセンのメダルゲームをやって時間を潰していたのですが、すんなり映画を見れなかったフラストレーションから、なげやりな感じでメダルを投入していたら、どんどんなげやりな感じでサイフからお金がなくなっていったので帰りました。結局見てないの。見てないうえにひどいお金の使い方したの。踏んだり蹴ったりだ。ガキどもが中々素敵にパニッシュされると友人から聞いていたので楽しみにしていたのですが。あと『夢のチョコレート工場』でトラウマ大賞だったウンパルンパがどうなっているのかも気になるんじゃがのぅ。あとデップの平安美人(白さ)っぷりとか。

なんかサボってる間にウディ・アレン8本くらい見て飽きたりカウリスマキを8本くらい見て飽きたりヴェンダース3本見てもういいやと思ったり今更キアロスタミにハマったりと色々見たんですが、意外とクズ映画を見てなかったのでちょっと元気がない、というか最近何を見てもそれなりに面白い気がします。俺はダメになっちまったのか。
というわけで久々に一本。

  • 天才マックスの世界』1998米 監督:ウェス・アンダーソン ASIN:B0009Y29EC
    • えーと、最近なんやかや評判、かどうかは知らないけどプチ人気のウェス・アンダーソンの青春映画。結構面白かったです。ノリはやっぱり『ロイヤルテネンバウムズ』と一緒でした。なんだろう、はっきりは言えないけどショットと構成が同じ匂い出してるんでしょうか。
    • 劇の脚本・演出をこなしたり、とにかく色々できるけど学科が落第生のマックスは、名門私立にハイスクールに通って色々やらかす毎日。しかしそのうち図書館にあった本の書き込みがきっかけで若い女の先生を好きになってしまう。てな感じのお話。結構ベタい青春ムーヴィーですね。
    • えー、面白かったんですが、アレですね。マックスが普通なんですよ。色々できるんだけど、その色々できる加減がストーリーの中心になるわけでもなし、話を回していく軽いきっかけくらいにしか使われてません。悩み事もなんかすごい普通のハイスクール生って感じで。こういう文科系のトリックスターみたいなキャラに、見る側が期待してるのはそういう普通さじゃないだろう。どっちにしろコメディ色強いんだから、やりすぎてつまらなくならない程度にもっと色々やったらいいのに。キャラ弱めですね。どう見ても高校生に見えないWEEZERのメガネ君みたいな風貌はまぁ良しですが。と思ってたらコッポラの甥(ジェイソン・シュワルツマン)だったんですね。
    • あとマックス君、同世代の友達が居ない感じでした。映画では語られてないだけで、そうでもなさそうな感じもあるんですが。とにかくマックス君が天才に思えなかったのが残念。

もっと無茶しときゃ良かったかな。今までの人生少しばかりヘタレすぎた。と、しみじみ思う昨今ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか。まぁまだ20台半ばなんで無茶するのも今のうちでしょう。せっかく台風が来てるんで荒れ狂う海に向かってダイビングして来たいと思います。無事を祈ってください。
そういう事じゃないんだ。
そういえばこの前、生牡蠣にケチャップかけるとか言い出した奴がいるので、そいつは人生冒険してると思う。まねしないけど。

2

雑記というか思いつきだが書いておかないと忘れる。
藤子Fの短編『イヤなイヤなイヤな奴』に出てくるドイとノルシュテインの『外套』のアカーキィ・アカーキエヴィチはそっくりすぎではないかフェーッヘッヘッヘヘラヘラヘ。