更新しようしようと思っていても中々できやしねぇ。
読んだ順番とはバラバラですがそれも仕方ありやんすめぇ。

  • 『きまぐれロボット』星新一 角川文庫 ISBN:4041303036
    • 最近ショートショートがマイブームで星新一とか筒井康隆とかをブックオフで探してきては読んでたりします。小松左京も読んでみたいけど『さよならジュピター*1のイメージがあるからどうしても手が出ない。
    • さて、星新一。この人はホント凄い。特に難解な表現があるわけでもなく、ショートショートだから短いし、小学生にもわかりやすい等からオトナな読者の人たちからはバカにされがちな傾向があると思うんですが、いやいやどうしてその文章力は凡百の作家じゃとても敵わないと思うのです。淡々と無駄なく簡潔にしかもわかりやすく一個のストーリーを語り、かつ面白い。たかが原稿用紙6・7枚の中できっちり読ませる物を作り上げるっていうのは並大抵の事じゃないと。
    • そして筒井康隆ほどあからさまではないけど、物語に通底する人間不信とまでも取れるその毒とペシミズム。言わば藤子Fの未来なんて信じてない版とも感じるのは僕だけでしょうか。
  • 『異形の王権』網野善彦 平凡社ライブラリー ISBN:4582760104
    • 日本史学の論文集。学生の時に読んでおくべき物だったなぁ、とか思う。異端の有名人。絵巻物等の図画資料を読み解いたりというのを盛んにやった人。
    • 日本中世において「異類異形」と呼ばれた人たちが如何に聖賤二つの属性を併せ持ち、そして聖性を奪われたかと言う事やその社会の位置づけを主に論じてある本。本のタイトルにもなっている「異形の王権」という論文は後醍醐親政における異類異形性について論じているわけですが、個人的にはそれ以外の衣装や飛礫と言った事を考察した論文のほうが興味深かった。歴史学の王道はやはり政治史なんですが、そんなに興味がもてないと言うかなんと言うか。