映画最近書いてなかったんで、まだ書いてないのが6・7本溜まっているのですが。スルーして今日見たのを。
さて、ローカルミニシアターで二本見てきたんですが、客入ってなさすぎで大丈夫なのかと。まぁミニシアター系でも更に客入らなさそうなのを選んで上映してるとしか思えないようなプログラムで、二本見て両方とも客が俺含めて4人ってのはやばいと思う。もうちょっとせめてワカモノにアピールするの上映したらどうか。バレエの振付師のドキュメンタリーとか、結構面白かったけどこんなの客入らねぇよ、とか思う。
ちなみに今上映中なのは以下に書く二本と『父、帰る』。『父、帰る』がメインなんだろうけど、それでもなぁ、弱いよなぁ。本当は三本全部見る予定だったのですが腹が減りすぎたんで帰宅。『父、帰る』が一番見たかったのに、俺のお腹は本当にいやしい奴だ。というわけでまた明後日行くことにする。

  • ロード88[出会い路、四国へ]』2004日 監督:中村幻児*1
    • なんというかセンスの感じられないタイトルですが、内容もね、残念。テレビの2時間ドラマみたいな感じでなぁ。
    • 白血病の少女が四国のお遍路さん八十八箇所巡りをするロードムーヴィー。しかしイカニモ散漫な印象。主人公だけじゃなくて重要登場人物がかなり多くて、全員が全編通して出てくる上、みんなをいい人に仕立て上げて無理矢理共感を持たせようとしてるのが散漫になって薄っぺらくなってしまっている。しかもロードムーヴィーなんて移動が命なのに、主人公以外のバックストーリーや行動のシーンが挿入されまくりだし、それが更に散漫。あと移動の絵も普通の二時間ドラマみたいで物凄く凡庸。もっといい絵取れたんじゃないか、勿体無い。
    • 主人公とそれを取り巻く人々の描き方も甘い。白血病でいつ死ぬかわからない覚悟でお遍路さんをまわってるというのに、全然死の恐怖とか焦りとかそういうものが伝わってこない。登場人物が主人公に絡む動機もすごく希薄だし、あぁ、文句のつけどころばっかりだ。
    • 前『グリーンフィンガーズ』の時にも書いたと思いますが泣かせの技術ってのはポイント押さえてくれないと辛い。素材は結構いいのに。

 

  • ベジャール、バレエ、リュミエール』2002スイス 監督:マルセル・シューバッハ*2
    • ベジャールと言うバレエの振付師がリュミエールという作品を完成させるドキュメンタリー。こちらは中々良かった。ドキュメンタリー独特のざらついた自然な映像が面白い。もうオープニングの時点でロード88に勝ってるというか、まぁ外国映画で日本に入ってくるものはある程度選別されてるから凡庸な作品の割合が少ないのも当然と言えば当然か。
    • キーワードとしてよく語られるリュミエール(光)、芸術にリュミエールが必要だ、と。映画の産みの親がルイ&オーギュスト・リュミエールだというのは不思議な偶然である。
    • しかしバレエダンサーの鍛えられた肉体が凄い事凄い事。バレエとか全然知らないんですが、奴らは驚くほどしなやかに動き、躍動する肉体はかくも豊かに感情を表現しやがるのかと新たな発見。一度生で見てみたい。